きちんと治すには原因を知ることが大切
これまで3万人以上の患者さんの不調と真剣に向き合ってきました。
その中で強く感じているのが、多くの方の不調には共通点があるということ。
細かい生活習慣は人それぞれ、しかし…
- 靴を履いて2本の足で歩き
- 箸をつかって食事をして
- 重たいカバンを持ち
- 椅子に座ってPCで仕事をして
- 満員電車にゆられながらスマホ
共通の社会のなかで生活をしていると、多くの方が似てくるものです。
この共通する問題を解消しない限り、今後も腰痛や肩こりといった症状は減ることはありません。
私がこれまで治療してきた3万人分の臨床データを分析すると、慢性的な痛みやコリの原因は、次の3つに分類されます。
- 身体のバランス(コリ・ゆがみなど)
- 栄養のバランス
- 自律神経のバランス
それぞれくわしく見ていきましょう。
身体のバランス(筋肉のコリや骨格のゆがみ)
あなたは自分の姿勢を見たことがあるでしょうか?
立っている姿勢・座っている姿勢・寝ている姿勢と色々ありますが、今あなたが取っている姿勢は何十年かけて身体にしみついた『クセ』です。
当院では初診の検査時に姿勢の写真撮影をして分析をしますが、多くの方が分析写真を見て衝撃を受けます。
頭の重さは平均して5~6㎏ほど。この重たい頭が理想の位置から離れるほど、身体のバランスは崩れやすくなります。
このズレ(ゆがみ)を計算すると、本来なら頭の重さ5kgの負荷が、10kg~15㎏(お米の袋より重い)の負荷になってしまっている人も珍しくありません。
そんな姿勢で24時間365日過ごしていたらどうなるでしょうか?
身体にかかる負荷がどんどん蓄積されて、あちこちが悲鳴を上げるのも時間の問題です。
そして残念ながら今の姿勢は、あなたの脳が「正しい」と思って自然と取る姿勢なのです。
この無意識で過ごしている姿勢を正しくしない限り、あなたの不調は改善しません。
栄養のバランス
慢性的な症状は、生活習慣と大きな関係があります。
生活習慣とは、食事・睡眠・運動のことで、生活習慣がおろそかになっているがために、治療をしていてもなかなか改善されないという方をたくさん見てきました。
- 食事
あなたのカラダは食べたものでできています。
生きていくだけでも栄養は必要で、さらに症状を改善させようと思ったら、栄養がきちんと確保されているかが大切となります。ご自身ではバランス良く食べているつもりでも栄養がが足りていない方も多いです。
当院では、栄養バランスをチェックした上で、食事の指導を行います。 - 睡眠
食べたものは眠っている間に消化・吸収が促されていきます。だからこそ、質の良い睡眠が大切になります。
また、就寝時は身体が回復するための大切な時間であり、重要なホルモンも分泌されるため、しっかりとした睡眠時間の確保や寝始める時間もキーポイントになります。 - 運動
不要なものを体外に排泄する働きも運動によって促進されます。
運動によって血流が促され、鍛えた筋力によって良い姿勢も維持することができます。
そもそも人間も動物です。本来は食欲や睡眠欲と同じくらい「動かずにはいられない」生き物なのですが、便利な世の中になった代償として運動不足が慢性的な痛みやコリの原因のひとつになっています。
この3つの習慣の中でも、当院では特に食習慣の改善に力を入れています。
自律神経のバランス(ストレス)
人間の身体にとって、外からの刺激はすべてストレスとなり身体は何かしらの反応を起こします。
刺激には物理的(寒冷・騒音・放射線など)、化学的(酸素・薬物など)、生物的(炎症・感染)、心理的(怒り・不安など)刺激があり、過度に受ける刺激によって自律神経が乱れやすくなります。
また、毎日を普通に過ごすだけでもいろいろな変化がありますが、良いことも悪いことも「環境の変化」はすべてストレスとなります。
結婚や出産など一般的に喜ばしいできごとも、大きな環境の変化とともにストレスとなりますが、本人がそれに気づいていないこともあります。
特に現代社会においては人間関係で悩みを抱えている人が多く、ストレスフリーでいられる人が少ないと言えるでしょう。
核家族や単身世帯が主となっていることもあり、悩みを相談できる人が近くにいなかったりお互いに助け合うことが難しい状況もそれを助長しています。
多かれ少なかれあなたが抱えている肉体的・精神的ストレスが、慢性的な痛みやコリの原因のひとつになっています。