心因性腰痛とは?
あなたは『心因性腰痛』という言葉を聞いたことがありますか?
分かりやすく言うと、ストレスが原因の腰痛のことです。
心因性腰痛は、一般的に次のような腰の状態の時に診断されます。
- 腰に異常がない
- 腰の異常は治っているのに、痛みが継続している
- 3ヶ月以上おなじ痛みが続いている
そしてこの心因性腰痛の原因がストレスなのです。
この記事では、心因性腰痛の仕組み、チェック方法、相談先などを分かりやすくお伝えします。
ストレスで腰痛となる仕組み
ストレスが原因で腰痛となる場合、一般的には次の3つが要因となります。
- 長引くストレスによる脳内物質の乱れ
- 心理的、社会的ストレスによる痛みの増加
- 恐怖回避的な思考による運動不足
それぞれ詳しくお伝えします。
長引くストレスによる脳内物質の乱れ
人間の身体には、痛みを抑える働きがある2つの神経伝達物質があります。
- ドーパミン
- セロトニン
あなたの腰に痛みが発生すると、この2つの物質がこのように働きます。
腰から脳へ痛みの信号が伝わる
脳内でドーパミンが放出
それとあわせて、セロトニンなど他の物質も放出
痛みを脳に伝える経路(通り道)が抑制
これが、一般的な身体のメカニズムですが、長期間ストレスにさらされ続けると
脳内のドーパミンが放出されづらくなり、セロトニンの分泌量も低下し、痛みを抑える仕組みが働きづらくなります。
結果、腰痛を強く感じたり、腰痛が長引いてしまうのです。
心理的、社会的ストレスによる痛みの増加
仕事、家事、人間関係など私たちは、多くのストレスに囲まれながら生活をしています。
上記でお伝えした通り、長期間ストレスを受け続けると、神経伝達物質の分泌が低下し、痛みを強く感じてしまいます。
これまで多くの患者さんを診てきた経験から、ストレスを感じやすい方には共通して以下の傾向があります。
- がんばりすぎ
- 素直に受け止めすぎ
- 周囲を気にしすぎ
このような性格の方は、腰痛が長引く恐れがあります。
恐怖回避的な思考による運動不足
長引く腰痛に悩む方の中には、ぎっくり腰のような『動けなくなるほどの痛み』を経験された方もいらっしゃると思います。
ぎっくり腰の経験がなくとも、一度でも腰の痛みを経験した身体(脳)は、こんな反応をするように。
『もうあんな痛みは二度としたくない』
すると、自然と身体を動かすことを制限するようになってしまいます。
動かなくなることで、腰や足の筋肉が低下し、身体のバランスも崩しやすくなる。
結果、骨の一部だけに負担が集中し、痛みが発生します。
すると、脳が回避的な思考となり動かなくなる。
結果、腰痛が慢性化してしまいます。
ここまで読んでいただいたあなたは、こう考えるかもしれません。
自分の腰痛は心因性の腰痛なのか?
心因性腰痛のセルフチェック
腰痛で病院を受診したとき、ドクターが心因性腰痛を診断するための問診票というものがあります。
いろいろなものが使われていますが、福島県立医科大学の整形外科と精神科が2000年に公表した質問票(BS-POP問診票)が活用されることが多いです。
患者さん用と医師用がありますが、参考までに患者さん用を添付します。
あなたはいくつ当てはまりましたか?
患者さん用で15点以上、かつ医師用で10点以上
あるいは医師用だけで11点以上の場合、心因性腰痛の可能性があると判断されます。
では、心因性腰痛となった場合、あなたはどうすれば良いのでしょうか?
心因性腰痛かもしれない時は?
心因性腰痛が疑われる時、相談する場所として
- 病院などの医療機関
- 治療院など病院以外の施設
この2つの選択肢が一般的となります。
それぞれ、メリット・デメリットがあるので、事前の確認が大切となります。
どんなことを確認すればいいのか分からない?
という方も多いと思います。
まずは、医師や治療家が心因性腰痛があると常に意識していることが大切です。
確認する方法としては
- 病院や治療院のHPで、心因性の記載があるか
- 担当医師のblogやWeb記事で、心因性腰痛の寄稿があるか
(心因性腰痛の治療を積極的に行う医師は、行動認知療法を活用されるケースが多いです)
このあたりを事前にチェックするのが良いでしょう。
三軒茶屋あおば整体でも、心因性腰痛の対応を行っています。