足底筋膜炎とは、どんな病気ですか?
足底筋膜炎(そくていきんまくえん)は、かかとの痛みの原因としては最も頻度の高いものです。
つま先から踵(かかと)まで足の裏を縦に走っている足底筋膜(『足底腱膜(そくていけんまく)』とも。以下『足底筋膜』とします)という分厚い膜があります。その膜が踵にくっつくところ(付着部と言います)に炎症がおこってしまう病気です。
症状としては、朝の起床時に立ち上がりの最初の一歩で踵をついた際に強く痛みが出ることが多いです。中高年の女性や若い男性のアスリートに発症例が多い病気です。
足底筋膜炎は、どのような症状が発生しますか?
朝おきて立ち上がる時、床にかかとをついた瞬間に鋭い痛みを感じる人が多いです。かかとのやや内側よりやや前方の部分が痛くなる方が多いです。
起床後に身体を動かしていると、だんだんと痛みが弱まる事が多く、朝の支度をしているうちに忘れてしまうということもあります。しかし、日中に椅子などに長く座った後に立ち上がった時には再び症状を感じることがあります。
初期の段階では、運動中に痛いことはあまりなく、運動後に痛みが強くなることが一般的です。
足底筋膜炎は、なぜ起きるのですか?
足底筋膜は、踵とつま先の間が弓のように張っていることで、衝収を吸収しています。ランニングや体重増加などで足底筋膜に多くの負担がかかると、かかとの付近で小さな傷ができてしまいます。
傷がすぐに治れば症状は起きませんが、年齢を重ね治りが悪い状態になると治りきらない状態となり、慢性化しやすくなります。
また傷ができてしまうと、身体の反応として血管を増やしますが、血管と神経は対になって一緒に増える性質があるため、足底筋膜のかかとの部分には普段は認めないような異常な血管と神経が増加して過敏な状態になり、するどい痛みの原因となってしまいます。
足底筋膜炎で、おすすめのストレッチを教えてください
自分でできるセルフケアとして、マッサージやストレッチは効果的です。
マッサージは、足裏をもみほぐすことで足底筋膜の柔軟性を高めることができます。
方法は、足の指を反らせた状態で足裏の土踏まずのあたりをマッサージします。ただし痛みのある踵の部分は揉まないでください。
ストレッチについては、ふくらはぎの筋肉のストレッチをすることで踵の骨を通じて足底筋膜にかかるストレスを緩和することができます。
方法は以下の通り。
立ったままで前後に脚を開き(痛みのある脚は後ろ側)、後ろ脚の踵は床につけたままで前側の脚に体重を乗せていきます。
こうすると、後ろ側のふくらはぎの一部の筋肉が伸びて張りを感じると思います。この状態で15秒伸ばします。